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皆さんこんにちは!
奏和工業、更新担当の中西です。
さて今回は
~くさび緊結式足場の実務ディテール 🧱🔧~
― “気まぐれ”を“頼れる主力”に変える現場技術 ―
くさび緊結式足場(通称“ビケ”)は、自由度×スピードが同居する現場の主力足場です。
入隅・段差・曲面・狭小地といった“難物ファサード”でこそ真価を発揮します。
しかし同時に、打撃品質のバラつき=揺れ・軋み・寸法誤差に直結する繊細さも持っています。
本稿では、
👉 打撃の標準化
👉 剛性確保と構造設計
👉 風・荷重・動線対策
👉 点検・是正・数値管理
を通して、**現場の最終成果を変える「足場の精度」**を具体的に掘り下げます。
| 項目 | 標準・注意点 |
|---|---|
| 狙う位置 | 受け座の根元に対し、水平気味に打撃。角度が立つと跳ねて緊結不足、寝かせすぎると過締め・歪み発生。 |
| 回数と音 | 1点あたり2〜3回を基準。甲高い音=締結完了の合図。朝礼で“良い音・悪い音”を実演共有🎼 |
| 見える化 | 締結完了部に色ペンでマーキング。色替えで日付を示し、是正箇所抽出を早くする。 |
| 工具統一 | ハンマーの重量・柄長を班で統一。軽すぎ→打撃不足、重すぎ→疲労と過締め。 |
🎯 打撃の“音”と“角度”を標準化すれば、現場の揺れは半減する。
通り・水平・対角:
初期3層で“箱組”を完了。端部は筋交い対向配置+控えで“剛壁化”する。
縦動線の最短化:
階段ユニットは荷重の多い面に配置。踊り場の荷置きは禁止。
→ 踊り場は“揺れ検知器”の役割も兼ねる。
継目・片持ち対策:
踏板の継目は作業ストローク外に配置。片持ちは最小化。
ブラケットは“支点を増やして安定”が基本。
💪 「三角と箱で支える」—構造で安全をつくる。
メッシュ率設計:
粉じん捕集と通風性を両立。全面張り=正義ではない。
→ 風環境(海沿い・谷間・ビル風)に応じて区画別調整が基本。
控え(壁つなぎ):
風上・端部・開口周囲はピッチ短縮。
RC/ALC/タイルなどアンカー方式ごとの適合と穿孔清掃・注入量管理を標準化。
風抜きスリット:
解放手順は文書で事前決定。天気予報で“直前判断”しない。
🌀 風荷重=面積×風圧力。
「面を減らす」「抜く設計」で、足場を“帆”にしない。
| 条件 | 対応方法 |
|---|---|
| 狭小地 | くさび式主体+単管で補助。仮置き→荷揚げ→作業床まで“一筆書き動線”を図面化。 |
| 段差 | 踏み段を後付けせず、先付けブラケット+受け材で安定化。 |
| 曲面 | 曲率に合わせて細ピッチを設定。短尺踏板で通りを整える。外観の美しさ=精度。✨ |
🧱 足場は“立体の設計物”。狭さや曲面を美しく処理できて初めてプロ。
荷揚げ開口は各面に小間口を分散し、使用時以外は常時閉鎖。
合図者の配置で落下ゼロ設計を実現。
工具は全員ランヤード二丁掛け必須。
指差呼称で「掛けた・外した」を声に出す。
⚙️ “落とさない仕組み”を最初から設計に入れる。ヒヤリは設計で潰す。
| タイミング | チェック内容 |
|---|---|
| 始業前点検 | 通り・水平・対角/緊結/控え/手すり・中さん・幅木/開口閉鎖 |
| 異常時(強風・地震・豪雨) | 全数再点検。タグの色替え+写真証跡。 |
| 是正ルール | 48時間以内100%是正。毎日30〜60分“是正スロット”を確保。 |
📸 是正スピードが品質。
“点検→記録→是正”の3拍子をルーチン化する。
揺れ・振動の可視化:
スマホの加速度アプリで動画記録(安全・プライバシー配慮)。
共有する4指標:
①歩掛(㎡/人工)
②材料待ち時間
③是正率
④苦情件数
🧮 数値は“責めるため”でなく、“良くするため”に使う。
構成:くさび式主体/入隅・曲面は短尺細ピッチ/段差は先付け受け。
荷揚げ:面ごと分散でボトルネック解消。
風対応:風上控え短縮+風抜きスリット導入。
➡️ 結果:
工程−13%/揺れ体感−45%/苦情ゼロ/是正ゼロ🎯
💡 “足場の設計”こそ現場力の差が出る領域。
打撃の数値化、箱組と三角の原則、風抜き思考、点検の速さ。
この4点を徹底することで、
“気まぐれ”な足場が“頼れる主力”に変わる。🚀
速く・強く・安全に組むための技術は、ディテールに宿る。
1️⃣ 打撃音の共有訓練を朝礼で(良い音=締結完了)
2️⃣ 48h是正スロットを毎日工程表に組み込む
3️⃣ 風抜きスリット位置を図面に明示して事前承認
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