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月別アーカイブ: 2025年6月

第16回足場工事雑学講座

皆さんこんにちは!

奏和工業、更新担当の中西です。

 

さて今回は

~専門用語~

ということで、現場で頻出する足場図面の専門用語を体系的に解説します。

 

足場工事では、安全・効率・施工品質を確保するために「足場図面」の活用が欠かせません。その図面には多数の専門用語が使用されており、意味を正確に理解しないと、施工ミスや資材手配ミスにつながる恐れがあります。


足場の基本構成に関する用語

用語 意味
支柱(スタンダード) 足場の縦方向の柱。荷重を支える最も基本的な構造材。
布材(ホリゾンタル) 横方向に取り付ける構成材。作業床や構造の安定に寄与。
筋交い(ブレース) 足場のねじれ・揺れを防止するために斜めに取り付ける部材。
作業床(踏板) 作業員が乗る床面。鋼製またはアルミ製の板が使われる。
手すり 作業員の転落を防止する横桟。上下二段構成が基本。
巾木 足元からの物品落下を防ぐための立ち上がり板。

図面上でよく使われる記号・表記

表記・記号 意味
H=○○mm 高さ(Height)を示す記号。例:H=6000mmなら高さ6m。
Φ(ファイ) 直径を示す記号。例:Φ48.6mmは単管足場の一般的なパイプ径。
□(角パイプ) 四角断面の鋼材を使用していることを示す。
→矢印 荷重方向、または構造材の取り付け方向を示す。
×マーク 筋交いやクロス材の位置を表す。図面でよく見られる。

足場の種類・形状に関する用語

用語 意味
単管足場 Φ48.6mmの単管を使って手組みする足場。自由度が高いが手間も多い。
くさび緊結式足場 ハンマーで緊結するタイプの足場。組立が早く、改修現場で多用される。
枠組足場(ビティ足場) 組立済みの枠を繋げて立ち上げる足場。中高層の建築現場で一般的。
吊り足場 上部から吊り下げるタイプ。橋梁や高所の構造物で使用。
張り出し足場 建物から外に張り出すように設置された足場。外壁作業などで使用。

設計と安全に関する専門用語

用語 意味
地耐力 地面が支えられる荷重の大きさ(kN/m²)。足場倒壊リスクと関係。
壁つなぎ 足場を建物とつなぎ固定する部材。転倒防止に不可欠。
先行手すり方式 組立時から常に作業員の足場に手すりがある状態を保つ工法。
養生ネット 作業中の飛散防止や転落防止に使用されるシート。風荷重も考慮が必要。
仮設計画図 工事全体に関わる足場やクレーン、仮囲い等の配置計画をまとめた図面。

図面作成・運用のポイント

  1. 凡例(れい)記載を徹底

    • 図面には略記号や略称が多いため、凡例をつけて全員が理解できるようにする。

  2. 等縮尺で正確に描く

    • 足場の高さ・幅・材料寸法は縮尺に基づき正確に記載する必要がある。

  3. 使用資材の記号と数量の記載

    • 材料表と図面を連動させることで、資材準備ミスを防止。


足場図面に用いられる専門用語は、構造理解・安全確保・施工効率の三本柱を支える知識です。特に現場作業員・監督者・設計担当者が共通の言語として使えるよう、基本用語をしっかり把握しておくことが求められます。

 

 

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第15回足場工事雑学講座

皆さんこんにちは!

奏和工業、更新担当の中西です。

 

さて今回は

~図面~

ということで、足場図面の役割、作成時のポイント、法令との関係などを詳しくご紹介します。

 

足場工事は、建設作業を安全かつ効率的に進めるための“作業基盤”となる極めて重要な工程です。その設計と計画に欠かせないのが「足場図面」です。


足場図面とは?

足場図面とは、建物の形状・高さ・作業内容に応じて、足場の構成や仕様、資材配置を詳細に記した設計図です。現場ごとにオーダーメイドで作成され、次のような情報が盛り込まれます

  • 足場の種類(くさび式、枠組、単管など)

  • 設置高さ、幅、ステージ構成

  • 筋交い・手すり・親綱支柱の配置

  • 階段、荷揚げステージの位置

  • 材料数量表(資材発注にも使用)


足場図面の主な役割

1. 安全管理

足場倒壊や転落を防ぐための設計基準を図面で明示することで、現場全体の安全性が高まります。

2. 施工指示書の役割

作業員がどこにどの部材をどの順序で組むべきかを示すことで、作業効率と品質が安定します。

3. 監督署への提出資料

高さ5m以上の足場や一定規模以上の作業では、足場図面の提出が必要になります(労働安全衛生法第88条)。

4. 元請・施主との協議用資料

工事内容や変更箇所を関係者間で共有しやすくなり、トラブルの予防につながります。


足場図面作成の基本ステップ

1. 現地調査

  • 建物の形状・障害物・高低差の確認

  • 作業内容(塗装・躯体・解体など)の把握

  • 重機・資材搬入経路の確認

2. CADまたは手描きによる作図

  • 基本図(平面図・立面図)と詳細図をセットで用意

  • 段差や出隅・入隅など複雑な箇所は拡大図で対応

  • 必要に応じて3Dモデル作成も推奨

3. 関係者との打合せ・調整

  • 図面を元に元請、現場代理人、安全管理者と協議

  • 建物の出入り口・開口部・看板などとの干渉確認

4. 修正と最終図面の確定

  • 安全設備(手すり・巾木・養生ネット)配置を反映

  • 資材リストを添付し、施工計画書と統合


足場図面における注意点

項目 注意点
材料配置 過剰・不足なく配置し、無駄な組立作業を防ぐ
作業動線 階段や踊り場の位置を明確に、スムーズな動線を確保
高所作業者の安全確保 作業床の幅・手すり高さ・中さん・巾木の基準遵守(労安法)
地盤条件の考慮 足場の支持面が不安定な場合はベースプレートや敷板を明記
強風・災害時の対策 緊結部材・壁つなぎ位置を図面に落とし込み、転倒防止策を記載

足場図面と法令の関係

  • 労働安全衛生規則 第563条〜:足場構造の基準明記

  • 建設業法・施工体制台帳:元請企業との共有が義務化されるケースあり

  • 監督署への届出:一部の現場では図面を含む「作業計画届出」が必要


足場図面は、単なる設計図ではなく「安全・効率・品質・法令遵守」を実現するための重要なドキュメントです。現場の状況や作業内容に応じて、柔軟かつ正確な図面作成が求められます。

図面作成を効率化し、現場との連携をスムーズにするためにも、3D図面ソフトやテンプレート活用も今後のスタンダードになっていくでしょう。

 

 

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